髙橋さんは新宿に入会されたその日から、目的が非常に明確な方でした。
特に「試合」に対する目標意識が素晴らしく、強くなるための計画や構想をしっかりと携えておられました。
そして何よりもすごいのは、その計画を実直に行動に移し、継続し続けたことです。
■ 「2段構え」の目標設定

髙橋さんは色帯の期間、マスター3のカテゴリーで戦ってきました。
私と一緒に作った目標設定は、以下の2段構えの戦略でした。
1.まずは己の年齢カテゴリ(マスター3)で確実に勝つこと
2.そこで結果を出せたら、次の帯に上がるまでは「アダルト」に挑戦すること
言葉で言うのは簡単ですが、髙橋さんは実際に「アダルト」の舞台でもしばしば結果を残されました。
これは順を追って着実にステップを踏んで取り組んできた努力の賜物です。
■ 柔術への尽きない情熱と、常に背中を追いかけ続けた日々
年齢・体重のカテゴリーが私と同じだったこともあり、常に芝本を明確な指標にして日々の練習に取り組んでくれました。
お仕事をされながらも「週5日の練習」を自らに課し、どうしても時間の取れない残りの2日は「上達のための回復日」と捉えていました。365日すべてを強くなるために捧げていたことになります。
通称“たかおじ”の愛称で親しまれながらも、そのストイックさと熱い情熱は周囲の会員さんらも巻き込み、道場全体の熱量をいつも格段に引き上げてくれていました。
■ 一番印象に残る、ラスト4秒の悔しさ

そんな髙橋さんの数々の激闘の中で、私が最も印象に残っているのは「2025年 IBJJFインターナショナルマスターアジア」での試合です。
本当に素晴らしい内容の試合でした。過去に勝てなかった相手に対して、しっかりと対策を修正し、気持ちを作り直してきたことが、マットの上で戦うその姿からも痛いほど伝わってきました。
勝利が目前に迫ったその瞬間。サブミッションに捉えられての一本負け――。
タイムアップまで、「ラスト4秒」の出来事でした。
試合場から戻ってきた時のたかおじの悔しさに満ちた表情は、まさに「本気で取り組んできた人」のそれでした。
私もたかおじに優勝させてあげたかった。しかし同時に、これこそが「色帯の修行期にこそ経験してほしい悔しさ」でもありました。
このあまりにも大きな悔しさがあるからこそ、たかおじはこれからも柔術に真剣に取り組み続けてくれると私は確信したのです。
■ 待ち望んだ、本当のステージへ
今回ついに迎えた黒帯への昇格。
本当の意味で「競技柔術の結果」を語れるステージに辿り着きました。
そしてこれこそが、たかおじがずっと待ち望んでいたステージでもあります。
ここからが本当のスタート。たかおじの柔術をさらに高め、一つでも多くの試合で自己実現をしてもらいたいです。
これからも共に頑張りましょう!
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