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道場破りから始まった、大切な仲間との思い出

By 2026/09/02新宿

最終日の集合写真

荒木さんが九州へ引っ越されることになりました。
とても寂しく、残念です。
私にとって荒木さんは、少し変わった、けれど忘れられない会員さんでした。

荒木さんがトライフォース新宿にやってきたのは、紫帯の時です。
アメリカで柔術を経験し、帰国されたばかりでした。
最初に行った日本の道場で「ルースター級ならトライフォース新宿に行った方がいい」と言われたそうです。
「シバモトって人はいますか?強いらしいね。」と、まるで道場破りのような勢いでの入会でした。
面白い人が来たなと思い実際にスパーリングをしてみると、言うだけのことはあってなかなか強かったです。

「今日こそはやってやる」「もう先生の技はわかりました、次はやられません」と、毎日のように熱い闘志で挑戦してくれました。
私自身も現役選手であるため、同階級で常に本気で向かってきてくれる練習相手は非常にありがたい存在でした。
荒木さんが年上だったこともあり、私も遠慮なく攻めることができました。

ベーシッククラスにもよく参加され白帯会員さんとも仲が良かったです

そんな荒木さんが茶帯を取得した際のスピーチを、今でも覚えています。
「これでやっと仲間になれた気がする。これまではどこかビジターのような気分だった」とおっしゃっていました。
その時は「荒木さんでもそんな風に気にするんだな」と思った程度でした。

その後、荒木さんは茶帯で全日本マスター選手権の優勝を果たし、いよいよ黒帯が現実味を帯びてきました。
しかしトライフォースの黒帯を認定する以上、チームとして同じ技術系統とアイデンティティを備えていることを証明して頂く必要があります。
それが「テクニック検定」です。

荒木さんは最もこの手の試験を嫌がりそうなタイプだったため、私は意を決して検定の話を切り出しました。
すると荒木さんは驚くほど前向きに「受けた方がいいでしょ。受けますよ」と答えてくれたのです。
私が本当の意味で「荒木さんはトライフォースの仲間だ」と確信したのはこの瞬間でした。
「問題は受け手をどうするか」と思い尋ねてみると、「世紀くんだね。先生、世紀くん知ってます?」と、相変わらずの荒木節が返ってきました。(※ちなみに松澤さんのことです)

茶帯で全日本マスター選手権を優勝した荒木さん

晴れて黒帯を授与した際のスピーチも、印象深いものでした。
「トライフォースの公認アスリートたちが世界で勝てるよう、自分が練習相手として少しでも力になりたい」
これもまた、良い意味で意外な言葉でした。
私が思っていた以上に、荒木さんは深くトライフォースの一員になってくれていたのです。

せっかく芝本を倒すために練習を重ねて黒帯になったのだからと、私は「全日本選手権に挑戦してみませんか」と何度か誘いました。
荒木さんは私より年上であるにもかかわらず、しっかりとコンディションを整え、全日本選手権や全日本オープンに私と共に出場してくれました。
これもまた、私にとってかけがえのない素晴らしい思い出です。

全日本選手権2022に挑戦しました

数か月前、突然引っ越しのお話を聞きました。
なんとかトライフォースを続けられないかと道を模索しましたが、現状は厳しそうでした。
最終日には荒木さんから「インストラクター資格を取って熊本で『トライフォース荒木』をやる」という案も頂きました。
「今日で退会するのに、どうやって資格を取るんだろう?」という謎の提案ではありましたが(笑)、もし本当にトライフォース荒木を立ち上げてくれたら、これほど嬉しいことはありません。

ライバルであり仲間である存在

まずは新しい生活に慣れていただくことが第一ですが、落ち着いたらぜひそんな未来も考えてもらえたら嬉しいです。
……噂では「1年くらいしたら新宿に戻ってくるのではないか説」も浮上しています。
今後の荒木さんの動向から、目が離せません。

荒木さん、これまで本当にありがとうございました!

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